日本人であれば、きっと一度は登ってみたくなる山、富士山。富士山の山頂に辿りつくのは決して簡単ではないものの、それほど困難なものでもない。
確かに3,776mは尋常ではない高さだが、富士山の登山道は整備が行き届いるので、難易度は決して高くはない。普通の体力さえあれば、登山未経験者でもトライできる。
7~8月のハイシーズンの富士登山者の顔ぶれを見てみると、実にさまざま。小学生低学年でも多くの人がトライしていて、小学2~3年でも元気に山頂に立っている。また、70歳オーバーでも元気に登っている姿はよく見かける。
しっかり準備をして体調を整えておけば、健康な人であれば十分に富士登山は可能なので、この夏はぜひ、富士山頂に立つことを計画してみよう。
富士山の主要登山コースは、吉田ルート(河口湖ルート)、須走ルート、富士宮ルート、御殿場ルートの4つで、それぞれの所要時間は往復8~9時間(休憩時間は含まない)。したがって、1日で一挙に富士登山&下山も不可能ではない。
最近は、登山口の五合目を夕刻から夜に出発して、夜を徹して登り続け、頂上でご来光を迎える日帰り富士登山も盛んだが、これは体力的にはきわめてハードな工程だ。
このスケジュールで行うと高山病の危険性も高い。寝不足は高山病に一番悪いので、途中で頭痛や吐き気などの症状が出て断念するケースは珍しくない。
また、このスケジュールは御来光目当ての登山者が集中する時間帯でもあるので、山頂付近は大混雑必至。待ちくたびれて登頂断念というケースも近年では起きている。
初心者は一気に登らず、通常、七~八合目の山小屋に泊まり、体を高度に慣らしてから頂上を目指す1泊2日の行程を組むと余裕が生まれるだろう。
富士山の登山コースの中で、最もポピュラーなのが吉田ルート(河口湖ルート)。最短距離で登れるのが富士宮ルート。穴場コースと言えるのが須走ルートで、御殿場ルートはロングコースの経験者向けとなる。細かい工程などは割愛するが、初心者は救護所があり、山小屋の多い吉田ルート(河口湖ルート)または富士宮ルートがオススメだ。
それぞれの登山口には、車でも行けるが、混雑時はマイカー規制があるので注意が必要だ。また、規制時期以外でも週末は大混雑しているケースが多く、駐車場から延々数時間かけて登山口にたどり着くケースも珍しくない。
こうした事態を避けるためにも、マイカーで行く場合でも混雑が予想されるピーク時は麓に車を止めてバスを利用したほうが良いだろう。
なお、五合目までは、東京直通バスをはじめとして、ざまざまな場所からバスが出ているので、こちらを利用するのも賢い方法だ。また、富士登山ツアーに申し込めば、アクセスや山小屋予約は楽チンだ。
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富士登山を行う際の宿泊場所は、通常は登山道途中に点在する山小屋に滞在することになる。これらの宿泊施設は、特殊な立地条件にあるために、ごく簡素な宿泊施設でしかない。
水道がないので水は街のように使えない、洗面や浴室などの設備も当然なく、寝室も相部屋が基本となる。
また、実際に山小屋で過ごすのは、夕方から深夜までで、夕食と休憩・仮眠をとる程度の滞在となる(頂上でご来光を臨むには未明に出発する必要があるため)。山小屋はあくまで登頂の足がかりとして利用する施設であり、ホテルや旅館のようなサービスはまず期待できないことを知ってほしい。
なお、富士山の山小屋は基本的には予約による定員制なので、混雑時でも1人布団1枚程度のスペースは確保される。山小屋に泊まる場合は、事前に必ず予約を入れておこう。
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富士登山成功の秘訣のひとつとなるのが、十分な装備だ。富士登山に適したウェアや用具などの装備をしっかり整えておけば、富士登山成功は大きく近づく。富士登山で、とくに重要な装備は以下のものだ。
これらの登山用具をはじめて揃える場合は自分だけで判断せず、できれば登山専門店で相談しながら購入しよう。その際には、とくに雨具やヘッドランプなどは、事前に使い方をしっかりマスターしておこう。
とくに靴に関しては、十分に配慮しておくべきだろう。普通の運動用シューズや古い登山靴で行くと、写真のように壊れてしまうケースがある(かなりの頻度で起きる)。また、新品の場合は事前に履き慣らしをしておくことも忘れずに。
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富士登山の装備のうち、ついおろそかになりがちなのが防寒着。うだるような暑さの街から出発するので「寒い」と聞いてもピンと来ないかもしれないが、富士山の頂上の気温は真夏でも6度前後、風が強いと体感温度は氷点下にもなる。セーターや手袋、帽子などの防寒着は必需品となる。
登山口の五合目ではTシャツ1枚でも、七合目付近からは長袖シャツを重ね、頂上ではさらにセーターや雨具を着込んで寒さに対処することになる。
とくに夜明け前は冷え込むので、頂上でご来光を迎える場合は防寒対策を万全にしておかないと、ほんとうに痛い目に遭うことになる。
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登山のイメージは歩いているだけなので、それほど激しく体力を消耗するように見えないかもしれない。しかし実際にやってみると、思いのほか体力を消耗することになる。また、長時間の行動となるので、予想しない事態が次々と降りかかってくるものだ。
そこで、富士山に登る前に、一度ハイキング程度のものでかまわないので、登山を経験しておくと良いだろう。とくに靴が新しい場合は、「靴ズレ」のリスクが大きい。靴ズレは起きた経験がある人はわかると思うが、どうにも動けなくなってしまう。
行動時間は8時間以上ということをしっかり頭に入れて、体調と装備は万全にしておこう。
富士山の前に登っておきたいオススメの山はこちら
「誰と登るか」というのは準備段階での大きなポイントとなるが、親子で富士登山となると、さらに十分な準備が必要だ。行動中の注意点も含めて、以下の点をチェックしておこう!
忘れがちなのが五合目での準備と高所順応のための時間。五合目で1~2時間程度の滞在を計画に組み込むこと。また、平日に登るなど登山道や山小屋の混雑をできるだけ避けるプランを組みたい。山頂でのご来光にこだわって渋滞の登山道を登る必要はないが、中腹からでも印象に残る風景は見せたい。
近郊の低山に登るなど、内容がしっかりした事前のトレーニング山行を必ず行ない、それを通じて「富士山の山頂に立つんだ」という目標を子どもにもたせること。
登山靴や服装はきちんとしたものを与えよう。子供だからといって、手近なもので間に合わせると、つらい目に遭わせることとなる。しっかり登山用の用具を持たせて行動しよう。
富士登山に限ったことではないが、つらさから逃れようとする態度を見せたときは、ときに厳しくなることも必要。しかし、がんばったときはほめることも忘れずに。
登山口別コースガイドや、山頂の山小屋に設置されたQRコードから取得できる登頂認定証など、携帯ならではのサービスを用意。ぜひ「山と溪谷モバイル」にアクセスしてみてください。
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